システムキッチンをリフォームする際の価格相場は?
システムキッチンなど、水回りのリフォームはかなり費用がかかると予想している人も多いのではないでしょうか。もちろん、リフォーム内容によっては高額のリフォーム費用がかかることがありますが、費用を抑えてリフォームすることも可能です。
本記事では、システムキッチンの種類をご紹介しながら、各々のリフォーム内容と価格相場について解説します。
目次
- システムキッチンの種類
- 形状
- I型
- L型
- 対面型
- グレード
- シンプル
- スタンダード
- ハイグレード
- システムキッチンのリフォーム価格相場
- 費用相場一覧
- オプションの価格相場
- リフォーム内容によってさらに価格が上がることも
- システムキッチンのリフォーム価格を抑える方法
- シンプルなシステムキッチンにリフォームする
- 最低限リフォームが必要な場所のみリフォームする
- 相見積もりをとって価格の安い業者に依頼する
- 実際に顔を合わせて打ち合わせをする
- 先に予算を提示した上でリフォーム内容を考えてもらう
- 安ければいいわけではないので注意!
- 配管工事が入る場合リフォーム価格は上がる
- 「諸費用」の金額に騙されない
- 使用用途や年月によって価格との折り合いを検討する
- 保証内容が充実した業者を選ぼう
- 必要な設備を検討した上でシステムキッチンのリフォームを依頼しよう
システムキッチンの種類
システムキッチンといってもその種類はさまざまで、最近は住宅や使用する人の好みに合わせてシステムキッチンを選ぶことができます。これからリフォームを検討している人に向けて、システムキッチンの種類を以下にご紹介します。
形状
I型
I型のシステムキッチンは、キッチンの設備が1列でまとまっているタイプを指します。コンロ、シンク、作業スペースと並んでいて、カウンターキッチンに採用されているケースが多いです。
I型キッチンのメリットは、カウンターなどを設置することで、キッチンの中や手元を隠すことができる点です。来客時もカウンターキッチンの中まで入って中を見る人はまずいないので、調理中にキッチンが散らかっていても気にせずにすみます。
L型
L型キッチンは、シンクと部分とコンロがL字型に曲がっている設計のシステムキッチンです。同じ長さにしたときにI型よりも広くキッチンをつくることができます。
L型のメリットは、キッチンを広く取ることができる点と、移動しやすい点です。I型キッチンでは「シンク→作業スペース→コンロ」という順で設計されていることが多く、シンクからコンロに急いで移動したいときに不便さを感じることがあります、しかしL字キッチンなら、姿勢を変えればシンクからコンロに手を変えることが可能です。
対面型
対面型キッチンは、その名の通りキッチンで作業をしながらキッチンの外にいる人を見ることができるタイプです。先に紹介したカウンターキッチンは、対面型キッチンに当てはまります。
キッチンで料理をしながらダイニングを見渡すことができるので、小さな子どもがいる家庭では子どもの様子を確認しやすい点がメリット。最近のキッチンでは、対面型を選ぶ人が多いです。
グレード
シンプル
「シンプル」は、キッチンのグレードの中でもっとも低価格なシリーズ。手頃なので導入しやすく、必要な設備が備わっていれば、低コストで導入したいという人におすすめです。子どもが小さいときはシンプルを設置して、リフォームするときにグレードを上げるという人もいます。
スタンダード
スタンダードは、そのシステムキッチンの中で標準グレードとして展開されています。グレードによる設備の違いはメーカーやシステムキッチンの種類によって変わってきますが、どの場合もスタンダードは中間グレードです。機能や素材のバランスが取れていることから、多くの人に選ばれています。
ハイグレード
ハイグレードは、その種類の中でもっとも高級な素材や設備を採用しているグレードです。高級感があって機能性が高いのはもちろんですが、システムキッチンによってはハイグレードだと海外の設備を設置できるなど、カスタマイズの幅を広く設けているケースもあります。
システムキッチンのリフォーム価格相場
システムキッチンのキッチンやグレードについて理解できたところで、具体的な価格相場を見ていきましょう。
以下に、キッチンリフォームの価格相場と、オプションの価格相場を紹介します。
費用相場一覧
システムキッチン自体をリフォームで取り替える場合の費用相場は以下です。
業者や住宅環境などによって価格が変動する場合があります。
シンプル | スタンダード | ハイグレード | |
I型 | 55〜85万円 | 65〜95万円 | 75〜125万円 |
L型 | 70〜95万円 | 80〜125万円 | 90〜135万円 |
対面キッチン | 75〜105万円 | 85〜135万円 | 95〜165万円 |
オプションの価格相場
キッチンのリフォームで多く取り入れられているオプションの価格相場は以下です。
オプションはメーカーによってたくさんの種類がありますので、このほかにも希望のオプションをつける人は少なくありません。
作業台を人工大理石に変更 | 2〜3万円 |
コンロをガスからIHに変更 | 15〜20万円 |
食洗機の設置 | 10〜15万円 |
シンクを人工大理石に変更 | 5〜8万円 |
カップボードの設置 | 15〜35万円 |
リフォーム内容によってさらに価格が上がることも
上記のリフォーム相場は、ほかにも状況によって価格が上がる可能性があります。
たとえば、対面キッチンからL字型キッチンにリフォームしたい場合、キッチンの移動を必要とするため、配管工事やダクト工事が入る場合があります。その際は、さらに10〜50万円ほど費用が上がることも考えられます。
システムキッチンのリフォーム価格を抑える方法
システムキッチンのリフォームは費用が高くなることが多いので、できるだけ価格を抑えたいと考える人も多いでしょう。
システムキッチンのリフォーム価格を抑える方法には、以下の3点が挙げられます。
・シンプルなキッチンを選ぶ
・最低限のリフォームのみを行う
・相見積もりを取って価格の安いを選ぶ
それぞれの方法について、以下に詳しく解説します。
シンプルなシステムキッチンにリフォームする
先に解説したように、キッチンには「シンプル」から「ハイグレード」まで、グレードが分けられています。シンプルを選べば、確実にほかのグレードよりもリフォーム費用を抑えることが可能です。
また、L型キッチンよりもI型キッチンのほうがシステムキッチンの価格自体が低いことが多いです。また、壁付タイプのキッチンからアイランドキッチンにリフォームする場合は、キッチンの移動が必要となる可能性があるため、さらなる工事費用がかかる可能性があります。
既存の配管を活かして、必要なキッチンのみを交換することで、リフォーム費用を抑えることができるでしょう。
最低限リフォームが必要な場所のみリフォームする
システムキッチンのリフォームでは、キッチンをまるごと交換するケースが多いですが、できるだけ予算を抑えたいのであれば、最低限どうしてもリフォームしたい箇所のみに絞ることで安くすることができます。
例えば、どうしてもコンロをガスからIHに変えたいというときは、シンクの交換は次回にして、コンロだけをリフォームすることも可能です。そのほか、備え付けオーブンを取り付けるなど、新たな設備を設置するのみにすることで、価格を抑えられます。
相見積もりをとって価格の安い業者に依頼する
システムキッチンに限らず、リフォームを行う際には「相見積もり」を取るのが一般的です。中には「見積もりを取ったら依頼をしないといけないのでは…」と考えてしまう人がいるかもしれません。しかし施工内容や費用を検討する上で、相見積もりを取る人は多く、業者側も理解しているので心配は無用です。
相見積もりを取るメリットは、不要な工事が盛り込まれていないか、施工費用は適正かを判断できる点です。システムキッチンにはメーカーの標準価格が設定されていますが、業者によって割引を入れているところがあります。
設備自体の金額が違えば、施工費用の設定も違うので、相見積もりを取って、もっとも希望に合った見積もりを出した業者を選ぶことをおすすめします。
実際に顔を合わせて打ち合わせをする
また、実際に顔を合わせて打ち合わせをすることも重要です。リフォームにあたり、営業担当者にさまざまな相談や質問をすることになるので、営業担当者との相性がよいことも、業者選びの重要なポイントになります。
誠実に対応してくれるかどうかは、実際に話すことでわかるものですし、折り返しの連絡がマメであるか、信頼できる業者であるかなど、会ってみないとわからないことは多いです。近年は新型コロナウイルスの影響により、対面でのコミュニケーションが難しい時代になっています。リフォーム業者の中にはオンラインでの対面打ち合わせを行っているところもありますので、スムーズな対応を取ってくれる業者を探してみましょう。
先に予算を提示した上でリフォーム内容を考えてもらう
捻出できる予算がすでに決まっているのであれば、最初に予算を提示して、その中で行えるリフォームを依頼するのもひとつの方法です。
「予算が決まっているから」と相見積もりを取らないのではなく、相見積もりは必ず取ってください。同じ費用でも、対応できる内容が異なれば、より多くのサービスを受けられる可能性があるからです。
予算が決まっている場合は、「必ず行いたいリフォーム」と、「できれば行っておきたいリフォーム」についてあらかじめ検討しておくと、リフォーム業者が予算に応じた見積もりを作りやすくなります。
安ければいいわけではないので注意!
システムキッチンのリフォームは、価格を少しでも抑えて行いたいもの。けれど、ただ安いだけでは納得できるリフォームを提供してもらえない可能性があります。
システムキッチンの価格と設備のバランスや、見積もりの内訳を理解することで、価格に納得してリフォームを依頼できます。以下に、見積もりや業者選びで抑えておきたいポイントを紹介します。
配管工事が入る場合リフォーム価格は上がる
先にも触れていますが、配管の状態などによって配管工事が必要となる場合があります。
「リフォーム費用を抑えたいからキッチンの移動がないリフォームを選んだのに」と思うことがあるかもしれません。しかしリフォームの段階で配管に不具合が生じていたら、そのままリフォームをしても、すぐに不具合が生じてしまっては困ります。
キッチンのリフォーム時に費用が上がってしまうとしても、短い期間で再度工事をしなければならないことを考えたら、リフォームと合わせて配管工事をするほうが結果的に費用を抑えられる可能性が高いです。
リフォーム費用の節約を目的に、キッチンの移動がなく同じサイズのシステムキッチンを入れ替える場合、見積もりには配管工事が入らないケースが多いと思われます。しかし、実際に既存のキッチンを取り外したときに、何らかの不具合が生じて追加の工事が発生する可能性はないとはいえません。
契約時にもこうしたイレギュラーなケースに対する説明はあると思われますが、突如追加の工事が必要になった場合も、不要な工事だと決めつけずに納得できるまで説明を受けましょう。そのためにも、事前のリサーチや打ち合わせにしっかり対応しておくことが重要です。
ちなみに、良心的なリフォーム業者の場合、明らかに古いキッチンのリフォームで見積もりを出すときは、配管工事の費用をあらかじめ見積もりに入れていることが多いです。通常キッチンを外してみないと配管工事が必要であるかは判断できないのですが、かなり古いキッチンの大半は配管工事が必要になります。
リフォームを選ぶ際には、こうした細かい点を加味して見積もりを出してくれる業者であるかも、ぜひチェックしたいですね。
「諸費用」の金額に騙されない
見積もりの内訳は、細ければ細かいほど依頼するほうもわかりやすいですし、良心的なリフォーム業者だといえます。逆に、「諸費用」で済ませてしまっている見積もりには注意が必要です。
諸費用として計上される項目はリフォーム業者によって異なりますが、多くは業者側の利益や、作業以外で発生すると思われる経費をまとめて記載しています。利益においては作業費から何%かで計上しているところもあれば、それぞれの内訳に含めているところもあります。
諸経費と聞くと、依頼する側からすれば使途不明金のような印象があるので、諸経費が安いほうが良心的だと感じるかもしれません。しかし、諸経費が安くても作業費やその他の内訳を含めると、諸経費が安いほうが総額が高いことがあります。
このように、内訳で判断できない金額も多いので、相見積もりを取ったときは、ひとつひとつの内訳に関する差額を確認した上で、不明な点はひとつひとつ説明してもらい、納得した上でリフォーム業者を選びましょう。
使用用途や年月によって価格との折り合いを検討する
リフォームはそれぞれの家庭によって、タイミングも違えば予算も違います。しかし共通していえるのは、「1回のリフォームだけでなくトータルのリフォームにおいて費用を検討する」ということです。
例えば、子どもが多くて家庭環境の変動が激しい場合は、リフォームの回数も増えます。子どもが1人で、また小さいときはさほど大きなキッチンじゃなくてもいいけれど、子どもが増えて成長してきたら、大きなキッチンでたくさんの料理を作ることが求められます。さらに子どもが独立したら、小さなキッチンで十分になるかもしれません。この場合、人生の中でキッチンのリフォームをする回数は、複数に及ぶ可能性があります。
逆に、子どものいない家庭であれば、ずっと同じキッチンでも不自由を感じることはなさそうです。古くなってきたら取り替えたいけれど、特に変わったキッチンにしたいという希望がなければ、リフォーム回数はそう多くなりません。
前者の場合は、1回1回のリフォーム費用が安いほうが、トータルのリフォームコストを抑えることができます。後者であれば、グレードの高いキッチンにリフォームするほうが、よい設備を長く使えるため、結果的にリフォーム費用を抑えられるでしょう。
保証内容が充実した業者を選ぼう
システムキッチンのリフォームでは、多くの場合保証がついています。3年保証、5年保証など期間はリフォーム業者やシステムキッチンのメーカーによって異なりますが、いずれにせよ保証内容が充実した業者を選ぶのがおすすめです。
施工費用だけで決めるのではなく見積もりの費用とサービス内容を比較した上で、より充実したサービスを受けられる業者に依頼するのがベストです。
必要な設備を検討した上でシステムキッチンのリフォームを依頼しよう
システムキッチンのリフォームは、どのタイプにリフォームするか、予算はいくらまで出せるかなど、検討するべき項目がたくさんあります。その中でもっとも大切なのは、「どんな設備を必要としているか」ということ。「これだけは譲れない」という設備をリストアップし、その上で予算やサービス内容を比較検討することをおすすめします。
ぜひ本記事の内容を参考に、信頼できる業者にシステムキッチンのリフォームを依頼してください。