ユニットバスリフォームで補助金が利用できる?ユニットバスリフォームで補助金を受ける際の5つの注意点
ユニットバスのリフォームは工事内容や浴室の状況によって、100万円以上の費用がかかることがあります。実はユニットバスのリフォームには補助金が適用されることもあるため、ユニットバスリフォームを安く行えるかもしれません。
この記事では、ユニットバスリフォームで利用できる補助金制度について、申請方法や注意点などを詳しく解説していきます。
目次
- ユニットバスリフォームで補助金が利用できる?
- 補助金制度が適用されるユニットバスリフォーム工事とは
- ユニットバスリフォームに必要な書類
- 補助金制度は3種類ある
- 介護保険の補助金制度
- 介護保険制度の概要
- 申請手順
- 国の補助金制度
- 「こどもみらい住宅支援事業」の概要
- こどもみらい住宅支援事業で補助金を受けるまでの手順
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 自治体の補助金制度
- ユニットバスリフォームの補助金でいくら安くなる?
- 介護保険の補助金を使った場合
- 国の補助金を使った場合
- ユニットバスリフォームの補助金制度は併用できる?
- 補助金制度が併用できない場合
- ユニットバスリフォームで補助金を受ける際の4つの注意点
- 補助金の申請タイミングを確認する
- 業者指定の有無を確認する
- 国・自治体の補助金は予算額に達すると受付終了になる
- 早めに申請に必要となる見積りを準備する
- まとめ
ユニットバスリフォームで補助金が利用できる?
ユニットバスリフォームは、制度を利用すれば20〜100万の補助金をもらえる可能性があります。
ただし補助金は年度ごとに予算や期限が設けられているため、誰でも受給できるものではありません。
補助金制度が適用されるユニットバスリフォーム工事とは
浴室リフォームが補助対象になるのは、下記の3つに該当するときです。
・介護目的のバリアフリー化をするとき
・住宅の長寿命化を目的とするリフォーム
・省エネ性能を上げるリフォーム
ユニットバスリフォーム関連の場合、
・タイル張りのお風呂をユニットバスにする
・ユニットバスを新しいものに入れ替える
など、リフォームすることでより使いやすい、より長寿化する場合に適応されます。
浴室のみのリフォームには適用できない補助金制度でも、住宅全体の断熱工事と一緒におこなうと補助対象となる可能性があります。
ユニットバスリフォームに必要な書類
必要になる書類は、それぞれの補助金制度によって違いますので断言することはできませんが、一般的に用意すべきとされている書類をご紹介します。
- 同一住居に居住する者全員の住民票
- 工事箇所ごとの仕様、数量、工事費等を示す書類(見積書など)
- 固定資産税納税通知書の写し、もしくは建物全部事項証明
- 市税等助成要件確認同意書
- 建築基準法に適合することを証する書類の写し(検査済証の写し等)
- 住宅全体の写真及び工事予定箇所の写真(日付が入っているもの)
- 対象住宅の図面
- 施工者が市内に支店などを有していること、または対象となる住宅の建設を行ったことが分かる書類
出典:船橋市 住宅バリアフリー化等支援事業について
補助金制度は3種類ある
ユニットバスリフォームで使えそうな補助金制度には大きく分けて3つあります。
- 介護保険
- 国の補助金・助成金制度
- 自治体の補助金・助成金制度
それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。
介護保険の補助金制度
介護保険制度とは、介助や介護が必要な方を対象に、補助金が受けられる制度のことです。
ユニットバスリフォームの場合は「介護保険を利用した住宅の改修」というかたちで補助金が受けられます。
工事条件の他に、要介護や要支援と認定された方がいる住宅、という条件が加わりますが、満たしていれば最大20万円まで負担してもらえます。施主は工事費の1割(所得税に応じて2割、3割になることも)を支払うだけで済むため、20万円のリフォーム工事の場合、18万円を負担してもらえるので、施主の支払いは2万円となります。
介護保険制度の概要
介護保険で補助金を受けるための条件は「ユニットバスを使用する方が介助や介護を必要としており、リフォームを行う住宅に住んでいること」です。
そのため、介助や介護が必要な方が福祉施設に入居している場合は、条件を満たしていないため、補助金を受けられません。
ただし、介護保険の補助金で注意したいポイントは「補助金は工事が完了したあとに施主に支払われる」ところです。すなわち、最初は自分でリフォーム業者に全額を払わなければいけないということ。まずはリフォームの費用は全額用意しておく必要があります。
申請手順
介護保険で補助金の申請を行う際の流れ
- 担当のケアマネージャーにリフォームをどのようなリフォームが必要なのかを相談する
- 申請に必要な書類を用意する
- リフォーム業者に依頼して代金を支払う
- 実際にリフォームしてもらう
- リフォームにかかった費用の支給を申請する
- 介護保険会社から補助金を受ける
原則利用者一人につき1回までですが、工事費が20万円の範囲内であれば複数回に分割することもできます。例えば1回の改修工事が5万円で済んだ場合なら、次に15万円の改修工事を行った時にも利用することができます。
また、上限20万円を使い切ってしまった場合でも、次に該当すれば再度上限20万円まで利用できる場合があります。
・要介護状態区分が3段階以上上がった場合
・転居した場合(転居先が新築の場合は認められない)
これらも覚えておきましょう。
国の補助金制度
国の補助金制度を利用するときはバリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、長期優良住宅化リフォームが該当します。国が行っているので補助金額は大きいのですが、毎年行っているわけではないため確認が必要です。対象となる工事と対象者の条件がそれぞれ異なりますので、注意してください。
「こどもみらい住宅支援事業」の概要
国が実施している「こどもみらい住宅支援事業」という制度でも補助金を受けられます。
こどもみらい住宅支援事業は、18歳未満の子どもがいる家族か、40歳未満の若い夫婦が補助金を受けられるという大前提がありますが、「省エネを目的とした住宅設備の設置に対して受けられる補助金」のため、ユニットバスを省エネ化したい場合は受けられる可能性が高いのです。
こどもみらい住宅支援事業は、補助金を受けられるかどうかの条件が細かく定められているため、よく調べてから申請を行いましょう。
こどもみらい住宅支援事業で補助金を受けるまでの手順
- こどもみらい住宅支援事業に登録しているリフォーム業者を探す
- 工事内容と補助金の詳しい内容を確認する
- リフォーム業者と契約する
- リフォーム業者が工事を行う
- 工事完了後にリフォーム業者が国から補助金を受け取る
- リフォーム業者から補助金を受ける
補助金は一度リフォーム業者に渡され、工事後にリフォーム業者から施主に渡されます。ここでこどもみらい住宅支援事業に登録していないリフォーム業者に依頼しても、補助金は受けられないため注意が必要です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業もユニットバスリフォーム対象です。国によるリフォームの補助金となり、キーポイントになるのは「耐震性」「省エネ」「耐久性」に関わるリフォームになっているかどうかです。
省エネルギー対策、構造躯体等の劣化対策などが目的となります。
- ユニットバスの取り換え
- 高断熱浴槽の設置
- 内窓や手すりの設置
- エコキュートなどの高効率給湯器への取り換え
など、たくさんのリフォームが対象です。申請方法としては、事業者登録している施工業者にリフォームの依頼をすることとなります。
自治体の補助金制度
リフォーム費用そのものを補助する場合もあれば、低い金利でリフォームローンを利用できる制度もあり、補助金額も多種多様です。
自治体から補助金が適用される制度の例
- 東京都世田谷区:環境配慮型住宅リノベーション推進事業
- 東京都新宿区:新宿区新エネルギーおよび省エネルギー機器等導入補助金制度
- 東京都江戸川区:住まいの改造助成(障害者)
- 福岡県福岡市:バリアフリー改修に伴う減額措置
- 埼玉県川越市:川越市住宅改修補助金制度
上記のように、自治体が提供する補助金や助成金の制度は、自治体によって大きく変わります。自治体の補助金制度は、県によっては行っていない場合もあります。
自治体の補助金や助成金の制度は、昨年は行っていたものの今年は行っていないということもあるため、最新の情報を知っておく必要があります。
さらに、補助金や助成金の金額や人数にも上限があるため、申請したときにはすでに定員を超えており、補助金や助成金を受けられなかったというケースも……。
省エネを目的としているリフォームの場合や、バリアフリー化を目的とするリフォームの場合など、補助金が受けられる条件が自治体ごとで異なります。自分が住んでいる自治体の制度を調べて、補助金を受けてリフォームできるかどうかを判断しましょう。
ユニットバスリフォームの補助金でいくら安くなる?
実際にお風呂リフォームで補助金を使うといくら安くなるのでしょうか?介護保険と国の補助金を使った場合でシミュレーションしてみましょう。
介護保険の補助金を使った場合
【介護保険に適用されないバリアフリーリフォームの費用相場】
浴室暖房機設置工事 10~30万円 0万円
高低差の少ない浴槽交換 15~40万円 0万円
浴室の拡張工事(増築を伴わない) 20~30万円 0万円
浴室の拡張工事(増築を伴う) 150~200万円 0万円
バリアフリー対応ユニットバスへ交換(ユニットバスから) 70~120万円 0万円
バリアフリー対応ユニットバスへ交換(在来浴室から) 80~150万円
【介護保険を活用した風呂バリアフリーリフォームの費用相場】
※リフォーム内容 費用相場 補助額相場(9割支給の場合)
手すりの設置 3~5万円 2.7~4.5万円
ドアを引き戸にする 10~12万円 9~10.8万円
床材を変更 10~15万円 9~13.5万円
段差解消工事 5~7万円 4.5~6.3万円
国の補助金を使った場合
【「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を活用した風呂リフォームの費用相場】
※リフォーム内容 費用 補助額
ユニットバスに交換 24万円 6.4万円
高効率給湯器(エコキュート等)に交換 39万円 10.4万円
高断熱浴槽に交換 18万円 4.8万円
内窓(90×90)の設置 3.48万円 0.928円
手すりの設置(I型) 0.9万円 0.24万円
手すりの設置(L型) 1.65万円 0.44万円
【「こどもみらい住宅支援事業」の補助金を活用した風呂リフォームの費用相場】
※工事内容 費用相場 補助金額
手すりの設置 約40,000円 5,000円
段差解消 約100,000円 6,000円
浴室乾燥機設置 約100,000円 20,000円
高断熱浴槽 約300,000円 24,000円
高効率給湯器 約200,000円 24,000円
ユニットバスリフォームの補助金制度は併用できる?
結論から言えば、それぞれの場合で異なります。
- 介護保険×地方自治体独自の補助金→自治体による
- 介護保険×国の補助金→できる。ただ、補助対象工事がそれぞれ明確に区分される場合に限る
- 国の補助金×地方自治体独自の補助金→地方自治体が独自に実施している補助事業、且つその補助金の一部に国費が充てられていない場合は併用可能
補助金制度が併用できない場合
市区町村によっては、介護保険との補助金との併用ができないケースがあるので、注意が必要です。介護保険で補うことが出来ない工事を、市区町村の助成金で補うのが一般的です。
市区町村の助成金の利用を考えている方は、予めホームページで併用が可能かどうか、チェックしておく必要があります。また、併用が可能な場合には、一般的には介護保険制度の補助金を優先して利用します。
ユニットバスリフォームで補助金を受ける際の4つの注意点
お風呂のリフォームで補助金を利用することで、費用を抑えることができる一方、補助金を受ける際に気を付けなければいけないことがあります。
- 補助金の申請タイミングを確認する
- 業者指定の有無を確認する
- 国・自治体の補助金は予算額に達すると受付終了になる
- 早めに申請に必要となる見積りを準備する
それぞれ詳しく説明します。
補助金の申請タイミングを確認する
補助金は、個人で申請できないものが多いです。たとえ介護保険の場合でも、地域のケアマネージャーなどを通して申請するため、使いたい補助金の申請方法を事前に確認した上で、対象となるリフォーム会社などに相談する必要があります。
補助金を受け取るためには、申請時だけではなく、施工後にも「完了報告」の書類を提出する必要があります。 最終的に完了報告書に不備がなければ、指定口座に振り込まれることが多いです。施工を開始から申請しても、支給の対象外となる場合が多いため注意しましょう。
ユニットバスのリフォームで補助金制度を利用したいのであれば、早めに対応することを心掛けてください。
業者指定の有無を確認する
ホームページでは募集要項の他に、注意事項を記載していることがあります。募集要項や補助金額に目がいきがちですが、注意事項に違反していると当然補助金制度は利用できません。
確実に補助金制度を利用するためには、ホームページや詳細な内容が書かれた書類にしっかり目を通し、分からないことがあれば市や区の担当者に確認することが重要になります。
国・自治体の補助金は予算額に達すると受付終了になる
介護保険を除き、国・自治体のそれぞれの補助金事業は、年度ごとに内容が変わるだけでなく、申請期間、申請人数、上限額の制限が設けられているのが一般的です。
申請期間中であっても、事業予算が上限に達した時点で締め切られるケースが多数あります。
申請の際にしっかりと確認しましょう。
早めに申請に必要となる見積りを準備する
業者によって、補助金に関する知識や、得意分野も異なるものです。見積書を比較し、総額費用の安い業者に工事を依頼すれば、結果的にコストを抑えることに繋がります。
相見積もりを取るときは、施工会社に「補助金を利用したい」「補助金申請を代行してほしい」「できるだけ安く工事したい」「バリアフリー仕様に改装したい」など、要望を伝えるのがポイント。
複数社の対応や提案内容を見比べてみることで「信頼できそうか」「相場はいくらくらいか」を確認することができ、未然にトラブルを防げる可能性が高くなります。
安易に契約はせずに、2〜4社程度の業者に見積もり依頼をし、費用だけでなく対応や提案力も比較した上で選ぶのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ユニットバスのリフォームは高額な工事費用がかかるため、補助金制度の条件を満たしているようであれば、積極的に利用していきましょう。
申請したい場合、まずは施工業者に相談して利用できるかどうかを確認してください。また、申請には期間があるほか、着工前に申請を完了させるものや、指定された期間内での工事完了が条件になっているものもあります。 補助金制度の条件や募集要項は、国や自治体のホームページに詳細が書かれています。
なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方は、お得にユニットバスのリフォームを行うためにも、補助金制度の有無を一度確認してみましょう!